リスペクトとは?
早速辞書を引いてみました。
日本語:尊敬
・話し手と聞き手の間に、身分、位置の上下関係が自然に発生する。
・「尊敬する」は人を目的語にとる他動詞で、物を「尊敬する」とは言わない。
英語:リスペクト
・話し手と聞き手の間に、身分、位置の上下関係はなく、あくまで対等。
・「リスペクト」は人も物も目的語にとる他動詞で、物、例えば人の考えなどを
「リスペクトする」と言うことができる。
・「オマージュ(フランス語 hommage「敬意」)」に近い意味。
先人の音楽などの作品への敬意をこめて作る意図的に似ている作品。本歌取り。
見方、見る人または出来によっては単なる「パクリ」にもなる。
噛み砕いて説明
英語のrespect(リスペクト):
西洋的な個人主義が根底にあります。原義は「人や物の高い価値を認め、
それに相当した敬意を表する、または配慮を払う」ことです。
つまり、人ひとり、物一つをとっても、そこに高い価値が認められれば、
それを評価しその価値に敬う気持ちを持ちます。
respect は、日本語の「尊敬」と和訳されることが多いですが、
ただ、日本語の「尊敬」と違うのは、respectすることによって、
相手が自分より高い位置になることはありません。
つまり両者の位置は変わらないということです。
例:私は彼をリスペクトする。
ここでは、「私=彼」と対等であって、彼を評価はするが、
こちらが頭を下げたくなるような関係にはならないということです。
有名になった使用例
Googleで「リスペクトする」を検索すると、たくさんの使用例がでてきました。
一昨年あたりから、多用(乱用?)されているようですね。
恐らく、深澤真紀著『平成男子図鑑』の「リスペクト男子」も、
最近の流行に乗った造語だと思いますが、その流行も、
やはりマスコミが作り出したものなのではないでしょうか。
リスペクトという言葉は、2006年のサッカー日本代表のオシム監督が好んで
使っていたからなどが考えられます。
「相手をリスペクトする」
「あらかじめ戦い方は決められない。相手の出方によって対応する。
決して受け身じゃないが相手が変化すれば、こちらも変化する。
最初から決められない。裏をかくというのはあるが。ここは相手のホーム。
楽勝と考えるのは失礼。国際試合では相手を
リスペクト(尊敬)するのが負けない秘けつだ。」
アジア杯予選インド戦前日の記者会見で「インドは守備を固めて
くると予想されるが」と聞かれて。=2006年10月10日
しかし、アーティスト(洋楽?)の世界では、
もっと前から利用されているようでした。
ただし、敬意を表しつつ「パクリをする(パクる)」という
意味合いの方が強くなります。。。
あとがき
意味の捉え方は、国によってさまざまです。
相手の国の意味を知った上で使用しなければ、お互いが誤解を生むでしょう。
今のテレビ業界で乱発されるリスペクトはどういう意味なのでしょう?
意味を知って聞いていると面白いと思います。