マツタケの生態などについてレポート

マツタケ とは?

マツタケ


(松茸、Tricholoma matsutake(S.Ito et Imai) Sing.)

キシメジ科キシメジ属キシメジ亜属マツタケ節のきのこの一種です。

 

 マツタケは、養分の少ない比較的乾燥した場所を好み、

秋にアカマツやコメツガ、ツガ、ハイマツなどの林の地上に生える。

まれにクロマツ林にも生えることがある。

梅雨頃に生える季節外れのマツタケをサマツ(早松)と呼ぶ地方もある。

菌糸体の生育温度範囲 5〜30℃、最適温度 22〜25℃。

最適pH 4.5〜5.5。菌糸の成長速度は遅い。

 

独特の強い香りを持ち、日本においては食用きのこの最高級品に位置付けられている。

 

なお、マツタケの仲間にはよく似たきのこが多数確認されており、

採集、分類、購入の際には十分注意を要する。

 

マツタケの生態(抜粋)

マツタケはマツ属 (Pinus) などの樹木の根と、

外生菌根または外菌根と呼ばれる共生体を形成して生活している。

マツタケは宿主樹木から同化産物を吸収して生きているが、

双方に利益のある相利共生となっているかどうかには議論がある。

 

マツタケの子実体は典型的には環状のコロニーを作って発生し、

その領域を「シロ」と呼ぶ。

その語源は「白」とも「城」あるいは「代」とも言うが定かではない。

シロの地下にはマツタケの本体である菌糸体が発達しており、

土壌が白くなっている。

マツタケは貧栄養な比較的乾燥した鉱質土層に生息し、

そこに分布する宿主の吸収根と共生する。

地表に落枝・落葉などが蓄積して富栄養化が進み、

分厚い腐葉土のようになると、

マツタケの生息環境としては不適である。

また、腐生植物であるシャクジョウソウ科のシャクジョウソウは

マツタケなどのキシメジ科の菌に寄生することが知られ、

イボタケ科のケロウジは、マツタケ同様の菌根菌であるが、

マツタケの「シロ」を排除して縮小させ、自らの「シロ」を形成する。

従って、これらはマツタケ大敵とされている。

収穫と流通

マツタケを採るのは難しい。

通常のきのこのように地表に顔を出て傘が開ききってしまえば、

香りも味も落ちてしまう。

胞子を土に落とす前なので味・香りが強いのである。

このため、地表からわずか1-2cm程度、顔を出したところを見極め、

根本から押し上げるようにして採取する。

また、軸が太く、しっかりしたものを選ぶことがポイントである。

シロの場所を知らない人間が、やみくもに探しても採取できない理由はこの点にあります。

 

現在のところ人工栽培が非常に困難であること。これが高値の理由である。

自然に発生したものを収穫するしかない。

それは、ほかのキノコが枯れ木などでも育つのに対して、

生きた赤松などの根につく菌根菌のため、自然下でも中々定着しないそうなのである。

それゆえ、秋の限られたシーズンにしか食べられない

“秋の味覚の王様”

となっているわけである。

 

国内では岩手、岐阜、長野、京都、兵庫などの産地が有名。

里山はマツタケにとっては適した環境であるため、

過去には日本でも多く取れ、庶民の秋の味覚として親しまれた。

しかし、松の葉や枝を燃料や肥料として利用しなくなり

マツ林の環境が変化したことにより収穫量が激減した。

 

国産マツタケの生産量は1941年の約1万2000トンをピークに

現在は約200トン程度に減ってしまいました。

 

1993年の様な冷夏で雨の多い年は多く発生するが、夏が暑く8月中旬から

9月末頃の降水量が少ない年は、収量が減少する。

 

 

国産もののマツタケでは桐の箱に入って1本1万円以上するものもあるわけだが、

外国産では、その3分の1程度で買うことができる。

現在、外国産が日本の流通量の9割以上を占めており

中国やカナダ、韓国、北朝鮮などから輸入されています。

2007年10月現在では北朝鮮産については2006年10月の核実験をきっかけとする

経済制裁で輸入が止まっており、中国産については残留農薬(殺虫剤)問題に

端を発する市場の不信感から価格が低迷している。

 

北米からは別種のT. magnivelareが輸入されているが、それを含め類似の形態

・食味・香りを持つきのこは市場では一括して「松茸」として扱われている。

ただし、香りでは国産にかなわないため、マツタケご飯やてんぷらにするのが

おすすめである。

香りの差がどうしてでるのかというと、国によって生える土壌や環境が違うためである。

 

北米のT. magnivelareは、日本のマツタケとは異なり自然度の高い森林に発生する。

きのこを採集するために熊手等で落葉層を掻くなどして地表を攪乱することは、

樹木の細根を傷つけ生態系へのダメージとなる。

このためアメリカではきのこ狩りに規制がかけられており、

一時はT. magnivelareをワシントン条約に基づき保護する対象とすることが検討された。

利用法

日本では一般に香りが良いとされ(独特の香りを嫌う人もいるが)

「香り松茸 味シメジ」という言葉があるほどである。

土瓶蒸しや松茸ご飯など香りを生かして食べることが多い。

 

だがマツタケが香りが良いために高級食品として扱われてるのは日本だけである。

何故ならマツタケの香りの成分の元である珪皮酸(後述の文を参照)の香りは

日本人と馴染みが深い大豆に近いものであるため、日本食に馴染みがない人間

からするとマツタケの香りは強烈な悪臭としか感じられなく、欧米などでは

「軍人の靴下の臭い」」「数ヶ月も風呂に入ってない不潔な人の臭い」などと言われ、

嫌われることが非常に多い。

 

ちなみに、ほかのキノコと同様に、マツタケも加熱により旨み成分が増えるため、

生で食べても旨みは感じない。

最後に・・・
  • マツタケ『ウィキペディア(Wikipedia)』
  • 要注意イカサマツタケの研究
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